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キャンピングカー等への充てん拒否の問題

  • 執筆者の写真: 輝 山本
    輝 山本
  • 2017年11月27日
  • 読了時間: 4分

 近年、キャンピングカーでの炊事用にLPガスを利用しようと、販売店へ手持ちの容器への充てんを申し出たら、充てんを拒否される事例が多発しています。

 充填する側の主な拒否理由は、1.一般消費者が、消費設備の技術基準を遵守しない(できない)場合や、高圧法の移動の基準、容器の基準を遵守しない。ことで2.売る側が販売事業者として法令遵守を果たせないためです。

 簡単に言えば、「使う側の安全が確保できない。事故が起これば、その責任が販売側に及ぶ危険性がある」から売らないのです。誰もキャンピングカーが憎くてガスを売らないわけじゃないんですね。

 問題のそれぞれについて解説し、解決策を探ってみます。

1.一般消費者が液石法や高圧法上の法令遵守ができない。

  LPガス販売事業者が、キャンピングカーオーナーにガスを売る場合も、テキ屋さんに売る場合も関係なく、販売事業者は液石法に基づき、質量販売の基準に適合するよう販売します。契約書に準ずる法14条書面を交付し、容器から消費設備までの消費設備調査(技術基準適合性を確認する調査)を行い、必要な周知を行います。

 その際、お客さんの持ち込み容器の充てん期限が切れていたり、10kg以上の容器だったり、キャンピングカーに搭載する燃焼器と接続した状態で安全性が確保できなかったり、

販売事業者における緊急時対応が担保できなかったりします。(原則、20km30分以内で駆けつけ出来ない。)

 キャンピングカーが、高圧法の移動の基準を気にせず容器を運搬する限度は、10kg容器以下で本数は2本以下です。それを越える大きさや本数を運搬(移動する)場合は、容器を緊縛し、車両の前後には「高圧ガス」の警戒表示を行い、消火器を積載し、緊急用資材を積み込まなければいけませんが、違法に改造された車両では守られていません。

 LPガスの持ち込み容器や調整器が充てん期限が切れたまま使用されていることも散見されます。期限切れ容器への充てんは、違法となります。

 キャンピングカーでのガスの利用は、質量販売で利用するならば「屋外で移動しながら利用する」形態を維持する必要があります。容器の設置場所が換気の悪い車内であったり、固定式燃焼器(ビルトインコンロ等)である場合やキッチンが屋内とみなされる場合は、体積販売(メーター販売)でなければ技術基準に適合できない場合があります。

 LPガスは、屋内での使用は規制が厳しく、屋外で移動しながら使用する場合は規制が甘いという面があります。キャンピングカーが利用する場合は、後者であることをはっきりさせましょう。

2.販売事業者が緊急時対応義務を果たせない。

 キャンピングカーは、基本的に移動します。屋外で移動して利用するからこそ、甘い基準で利用できます。固定して利用するならば、硬質管に接続し体積販売で安全に利用すべきです。その一方で、販売事業者は、法14条書面で緊急時対応について、責任を負う旨明記されています。質量販売の場合でも、販売店から20km以内、又は30分以内に駆けつけなければいけません。キャンピングカーが遠方まで行っちゃってる時に大事故が起こった場合、販売店は責任を負いたくないため、ガスを売らないのです。

 また、容器をその後別の事業者が充填する場合、いい加減な書面交付、調査、周知を行った場合でも、事故時の責任を押し付けられる可能性があるため、ガスを売らないのです。

3.キャンピングカーでLPガスを利用するために

 ①一般消費者として、液石法や高圧法上の技術基準適合義務を果たしましょう。

  販売店から、技術基準違反を指摘されたら改善しましょう。

 ②販売店から遠方のため、緊急時対応が出来ない場所でガスを利用する場合の保安責任を

  明確にしておきましょう。

 ③販売店から配られる周知チラシをよく読み、安全にガスを利用しましょう。

 ④容器を別の販売店で再充填する可能性がある場合は、事前に最初の販売店と相談しましょう。

4.LPガス販売事業者として、やれることはないか?

 ①法14条書面の交付、消費設備調査、周知をしっかり行い、技術基準不適合があっても一般消費者が改善に応じない場合は、ガスの質量販売を毅然と拒否する。

 ②緊急時対応については、法14条書面において、原則20km以内の範囲で使用する場合は販売店が対応可能であるが、それを越える場所での使用での緊急時対応義務は、一般消費者が負うことを書面で明記する。(一筆貰う)

 ③一般消費者が容器への再充填を行うことを示唆する場合に備え、系列店間で質量販売時の対応を事前に統一しておく。(緊急時の対応を都度依頼できるような関係を構築しておく。)

 ④質量販売ではあるが、ガス漏れ警報器連動メーター遮断機能を使うことで、遠方でも緊急時対応が遺漏なく行えるよう、キャンピングカーメーカーへの改善を求める。


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